ニンジャファイヤースタンドのパクリ

どのような分野でも摸造品はたくさんあります。今回あんまりなのを見かけたのでポストします。

メジャー製品ほど摸造が盛んになりがちですが、まともな量販店やショップでこれらを買うことはできません。しかし、ネット通販サイト等は審査がガバガバなのか、グレーな製品を普通に売っていて容易に手に入ります。「安かろう悪かろうだとしても本家が高いからこっちで良いじゃん」という消費者の心理は分かります。
大体、これら摸造品はそもそも完成されたレシピをトレースしてるだけなので、どれだけ色んな所が雑であっても完成形をパクってる時点で最低限のクオリティは担保できてますし。

一方でこうしたコピー品が格安で出ると、
「本家高すぎじゃねえの?他所がここまで安くできるってことは、実はもっと安くできるでしょ。本家サン暴利をむさぼってんじゃないのー?ブランド料乗っけてるんじゃないのー??」
と邪推する人が居たりします。

当然ですが間違いっすよね。

オリジナルは、何もないところから、時間、資材、人材、色々なものを費やして積み上げてようやく製品として完成させて、量産できる体制に持っていきます。
「原材料や加工費、組み立て代諸々」だけをみて価格設定してしまっては到底、この完成に至るまでのコスト、開発費は回収できないでしょう。

コピー品はこの開発コストの部分をスルーできます。この点だけでもだいぶ安くできちゃいますよね。更に品質を考慮しないで大量生産するなどすればオリジナルではありえない安価設定が可能になるでしょう。

「オリジナルの現物を持ってきて図面を引く、金型を作る」くらいの手間はあるかもですが、製品を売るまでの過程の大部分を占める「製品を生み出す試行錯誤や苦労」を一切せず、失敗リスクも無いですから、これほど楽な商売はないですね。更に言えば、市場で既に評判の製品をパクって格安で売るってことは「これが売れない訳が無い」っていう利益を得る上の安全性も担保しちゃってる。

パクったもん勝ち。丸儲けですね。

という長い前置きを経ましたが、これです。

中華ブランドでも微妙にデザイン変えたりしてアレンジしてくる例が多い中、この潔いまでの丸パクリ。これがモノづくりニッポン。
中華ブランドは訴訟回避(「これ、デザイン違うから別もんだよ」と言い張るため)ってだけかもしれませんが。

画像左がオリジナル。右が某国内ブランド品。

画像下のピコグリルは流行してから雨後のタケノコのように模造品がかなり多く出回っていていて今更感がありますが(…とは言ってもここまで見事に何の遠慮も無い丸パクリはあまりお目にかかれませんけどね)、上に載せたニンジャファイヤースタンドって、インディペンデントな国産ブランドの独自な意匠をもったアイディア商品なのに、それをあたかも「我々の新製品は新しい形の焚き火台です!!」みたいに新発売を謳っちゃって、何の冗談ですかね?

ああ、そうか。ファイヤースタンドはメッシュの高さが違うし、ピコグリルはゴトクの仕様が違いますね。
あるいは特許に抵触するでも意匠登録されているものでも無いならばOK、ですか?むしろそういった権利を取得してない方が悪い、文句を言われる筋合いはないしウチは悪くない、ですか?

オリジナルのファイヤースタンドやピコグリルを作った当本人ではないただの消費者なので、あえてこのメーカー名を出したりして吊し上げたりするつもりはないですけど、ここまでパクって人として恥ずかしくないんですかね。

こういう真似を日本のメーカーがやってしまうのは残念としか思えないし、このような他所へリスペクトが一切ないような下衆いメーカーの製品は使いたくないし、何よりこういうオリジナルを冒涜する悪質な行為を堂々とやっちゃっては結果的に業界を腐らせることに繋がるのを分かってほしいです。
あなたたちは一時的に儲かるかもしれませんけど、結果的にこうした行為がインディブランドを初めとした意欲的な新しい製品開発の灯を消してしまって市場に特段面白いものが出なくなり、最終的に業界そのものをつまらなく、そして終わらせてしまうかもしれません。そしたら困るのはあなたたちなんじゃない?

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